マーケティングにおける知覚とは？形成プロセスや重要な理由を解説

2024年10月8日

「ものが欲しいと思う気持ちの流れとは？」

ショッピングをしているときになぜ自分はこの商品を気に入って、買いたいと考えているのだろうと思ったことはありませんか？実は人が商品を見て気に入り、これが欲しいと思うようになるのは知覚プロセスという言葉で説明ができます。

そこで、今回は、知覚プロセスとは、という内容を中心にお伝えしていきます。これを読めば、マーケティングにおける消費者の商品に対する考え方が理解できます。消費者の気持ちを理解することは、販路拡大にきっと役立つでしょう！ぜひ最後までお付き合いください。

知覚とは？知覚の形成プロセス4段階

人間の知覚は大きく分けて次の４つのプロセスを経ています。それぞれのプロセスについて見ていきましょう。

与えられた情報を選別

情報が入ってきたときには、それらを五感（聴覚・視覚・嗅覚・触覚・味覚）で知覚します。沢山の情報を一度に処理する事はできず、選別が必要です。そこで脳は、過去の経験などを参照に情報を選別していくのです。

例えば、ショッピングに出かけた場合も、すべての情報を頭に入れるわけではなく、自分の欲しいもの、気になるもの野情報が入ってきますよね。この時点で、必要な情報と不要な情報を選別しています。

情報を整理する

選別して得られた情報はそのままでは行動に繋げることは難しいので、整理されます。

ショッピングで見つけた様々な商品をすべて買うわけにはいきません。どれが必要なのか、値段はどうかなど商品について得た情報を自分の中でさらに整理していきます。

整理した情報を意味付けして理解する

得られた情報は、意味づけをされて、ようやく理解されます。情報の受け取り方は人それぞれで、同じ情報でも人によって意味が違ってくることを覚えておきましょう。

例えば、5000円のTシャツをどのように感じるかは人によって違いますよね。自分の価値観で情報を意味付けし、様々な情報を理解していくのです。

マーケティングでは、この受け取り方が違うことを意識して、情報を届けたい顧客にどう伝わるかを分析していくことが大切といえます。

必要な情報だけを記憶する

様々な情報を理解した上で、必要な情報だけを「記憶」します。目に入った情報の中で、ずっと覚えている情報がありますよね。それは脳が必要と感じた情報ということになります。

企業は、商品を売りたい相手に対して、記憶してもらえる情報を発信することが目的となります。

マーケティングの最終目標をおさえておこう

企業としては、商品情報を確実に届けたい相手に確実に届けて、商品を購入してもらうというのが訴求の最終的な目標です。知覚してもらえないというのはなるべく避けたい事態です。そのためにマーケティングは存在しています。

マーケティングにおいて知覚が重要な3つの理由

情報が溢れる現代では、一つの情報に目を止めてもらうという事は困難な事です。そのため、知覚について深く理解をすることがますます重要視されてきています。

知覚を意識したマーケティングが重要である３つの理由について解説していきましょう。

人は興味のある情報にしか反応しない

日常にあふれる商品情報には以下のようなものがあります。

主な商品情報

店頭に並んでいる商品
広告やCM
街頭でのキャンペーンやイベント
ネットでの広告
SNSでのインフルエンサーの実演

しかし、人間はすべての情報を受け取ることはできません。自分の興味・関心のある情報に無意識に反応しています。そして、興味のない情報は無意識にふるい落としているのです。

企業はその「興味関心を引く」という段階を重視しなければならないことは言うまでもありません。そのために、消費者の無意識の中で欲しいと思うものを引き出し、欲しいという欲求に働きかける商品を慎重に絞り込む必要が出てくるのです。

人は先入観や経験値によって情報を曲げて解釈する

次入ってきた情報を、人はどのように整理して、その後どのように解釈しているのでしょうか？

例えば、現在使用している商品（サービス）に不満点があるとします。すると、新しく目に入ってきた商品で、その問題点が解決されるのかなどと頭の中で比較検討（情報整理）が行われるでしょう。そして、脳内で、現状との比較検討がなされた商品を購入する事がメリットになると認識されると、それが興味へと変化します。

「情報を曲げて解釈する」とは

情報は、受け取る人によって印象が変わります。

知覚プロセスの４つの段階でも説明したように、同じ値段でも高いと感じるか安いと感じるかは異なりますよね。

人は入ってきた情報をそのまま受け取るとは限りません。新しく入ってきた情報を、自分が元々抱いているイメージに合わせて受け取るのです。マーケティングにおいて、情報の受け取り側の印象を無視することはできません。発信した情報がどう解釈されたのかまで分析することで、より良い商品開発につながることを意識する必要があります。