LINE公式アカウントを運営していると、担当者が変わる、あるいは事業譲渡や売却といった事情でアカウントを譲渡したいケースが出てきます。そのとき、「アカウントそのものを移すことは可能か」「どういう手順で譲渡できるのか」「注意しなければならない点は?」といった疑問が必ず浮かびます。
LINE公式アカウントには「権限管理機能」があり、その仕組みを使って運用者(管理者)を切り替えたり、実質的に譲渡したりすることが可能です。
この記事では、LINE公式アカウントを譲渡する方法と、権限管理機能の使い方、さらに譲渡時に注意すべきポイントを解説します。LINE公式アカウント移行や運営体制を見直したい方にとって役立つ記事なので、ぜひ参考にしてみてください。
LINE公式アカウントは譲渡できる?

大前提として、LINE公式アカウントに「名義変更」という制度はありません。しかし、運営に必要な管理権限を別のユーザーに付与することで、事実上の譲渡が可能になります。
引き継ぎなら同じアカウントでログインするだけ
同じ会社の別の担当者が引き継ぐだけなら、これまで使っていた「ビジネスID」やログイン情報をそのまま渡すだけで利用可能です。つまり「ログイン情報の共有」が最もシンプルな引き継ぎ方法です。
ただし、この方法はセキュリティ面のリスクも伴います。パスワードの更新や二段階認証の設定を忘れると、不正アクセスの原因になりかねません。そのため、安全に引き継ぐには次の「権限管理機能」を使った譲渡が推奨されます。
譲渡するなら管理者権限の変更という形で対応
正式に譲渡したい場合は「管理者権限」を新しい担当者に付け替える必要があります。LINE公式アカウントには「管理者」「運用担当者」といった複数の権限があり、その中でも管理者は最も強い権限を持っています。これを新担当者に付与することで、実質的にアカウントを譲渡できます。
この方法なら、旧担当者のアクセス権限を外すこともできるため、セキュリティ面も安心でき、ビジネス上のトラブルを防ぐことができます。
権限管理機能を使って譲渡する方法

この章では、実際に権限管理機能を使ってアカウントを譲渡する具体的な手順を紹介します。
権限管理ページでメンバーを追加
LINE Official Account Manager(管理画面) に、現在の管理者アカウントでログインします。
アカウント一覧から該当の公式アカウントを選び、「設定」>「権限管理」を選択します。
「メンバーを追加」ボタンを押し、招待したいメンバー(譲渡先候補)のメールアドレスや権限種別を入力します。
「URLを発行」または「認証用URLを生成」して、相手にそのURLを送ります。
発行した URL は、24時間以内 にアクセスして承認しなければ無効になります。また、1つのアカウントに追加できるメンバー数には上限(100人)がある点も把握しておきましょう。
認証URLにアクセスし承認する
譲渡先となる相手は、受け取った認証用URL を時間内にクリックします。
URLを開くと、ログイン画面が表示されます。ここでLINEビジネスIDもしくは 既存のLINEアカウント でログインします。
承認画面で「承認」ボタンを押すと、そのユーザーに指定した権限(例えば管理者権限)が付与されます。
承認が成功すると、権限管理画面にそのユーザーがメンバーとして表示されます。この承認操作が完了することで、譲渡先がアカウントの操作を行うことが可能になります。
譲渡元のアカウントを削除する
新たな管理者が追加されたことを確認したら、新たな管理者が元の管理者アカウント(譲渡元)を削除または権限変更します。
「設定」>「権限管理」>該当メンバーの「変更」>「このメンバーをアカウントから削除」を選択します。
この操作をもって、事実上の譲渡は完了となります。以降の運用は、譲渡先が主導して行うことになります。
LINE公式アカウントの運用において、もっともビジネスに大きな影響を与えるのがステップ配信です。効率的に顧客とのつながりを継続し、購買行動を喚起させるツールとして、大手企業から個人事業主まで多くの方が利用しています。
LINE公式アカウントのステップ配信とLINEの自動化で注目されるツールについて、こちらの記事で詳しくまとめていますので、ぜひチェックしてみてくださいね。

LINE公式アカウントを譲渡する際の注意点

管理者を変更する際には、いくつか見落としやすいポイントがあります。以下の点をしっかり押さえておきましょう。
譲渡先ユーザーはビジネスIDでログインする
認証URLをクリックした際、ログイン方法にLINEビジネスIDを選択する必要があります。既存の個人LINEアカウントでもログイン可能ですが、セキュリティや後の引き継ぎ性を考慮して、ビジネスIDを使うことが推奨されます。
譲渡先がビジネスIDを持っていない場合は、招待前にビジネスIDを作成するよう案内しておきましょう。
URLの有効期限に注意
認証URLは発行から 24時間以内 に承認しなければ無効になります。時間切れとなった場合は、再度 URL を発行して対応する必要があります。
また、一度使用されたURLは再利用できない仕様であるため、使い回しはできません。必ず新たにURLを発行して譲渡対象者に送信しましょう。
かんたんラインステップを使ってビジネスを自動化しよう!

LINE公式アカウントの譲渡は、単なるログイン共有ではなく「管理者権限の変更」によって正式に行います。また、譲渡時には「ビジネスIDの準備」と「招待URLの有効期限管理」が重要です。これらを押さえれば、安全かつスムーズなアカウント引き継ぎが実現できます。
譲渡が終わったら、新担当者がスムーズに運用できる体制を整えましょう。その際に役立つのが「かんたんラインステップ」です。このツールを使えば、LINE公式アカウントと連携しながらメッセージ配信を自動化できます。たとえば、
・友だち登録から3日後に「ウェルカムクーポン」を自動送信
・商品購入から1週間後に「フォローアップメッセージ」配信
といった流れを自動で設定できます。担当者が変わっても、顧客対応の質を落とさずに運用できるのが大きなメリットです。
また、ターゲット設定やシナリオ設計を組み合わせれば、ユーザー行動に合わせた配信も可能になります。これにより、担当者の手間を減らしながら、顧客満足度と売上アップの両立が期待できます。
譲渡そのものは「権限の付け替え」で完了しますが、運用をスムーズに回すには「自動化の仕組みづくり」も不可欠です。アカウントを受け継いだ後にミスなく成果を出すために、ぜひ併せて導入を検討してみてください。